製作
パルメノン学期製作職人のアプローチは、フルート一本を全て一人 で作り上げる、全職人が最初の下ごしらえから最後の仕上げまで、また、各部品の加工から頭部管の削り方 まで、フルートの製作過程全てを究めているという点で、ヴァイオリン職人のアプローチにより似ていると言えるでしょう。
パルメノン学期製作職人のアプローチは、フルート一本を全て一人 で作り上げる、全職人が最初の下ごしらえから最後の仕上げまで、また、各部品の加工から頭部管の削り方 まで、フルートの製作過程全てを究めているという点で、ヴァイオリン職人のアプローチにより似ていると言えるでしょう。
フルート作りの素となるのは、様々な大きさ、そして板、棒、またはチューブなど形状の異なる金属です。
チューブから、管体、キーパイプ、トーンホール、リングなどを作ります。
棒は、旋盤加工でキーポストやキーカップに、または鍛造してレバーのラフとなります。
板からは打ち抜き加工で、キーアーム、キーストッパー、その他のメカニカルなパーツのラフを作ります。
「ラフ」は、板状の素材から打ち抜き加工で、または棒状の素材から冷間鍛造で作られた荒削りのパーツです。
打ち抜き加工で作られたラフから、キーストッパーやキーアームのような音響伝達メカニズム用のパーツが作られます。
冷間鍛造で作られたラフの多くは、GisレバーやローCisレバー、親指レバーなどのレバーとなります。
「機械加工」では、様々な技術を使って余分な素材を取り除き、各種パーツに仕上げます。
NC、または従来式の旋盤加工によって、キーポストやリングなどの取り付けパーツを作ります。
フライス盤加工では、パーツの厚みを揃え、それぞれの形に加工します。キーストッパーやキーアームなどを作っています。
機械加工で、半完成、または完成されたパーツは、フルート製作に備え、在庫として管理されます。
組み立てを始める前に、各フルートのモデルやオプションに合わせて、必要なパーツを用意します。
この段階で、レバーはまだラフの状態なので、鑢を使って整形します。そのため、デザインを変えたり、フルート奏者の指に合うよう形を与えたりと、ニーズに合わせて形を変えることができます。その後、各パーツを加工の跡がなくなるまで、研磨紙を使って磨きます。研磨紙は、どんどん粒子の細かいものへと変えていきます。そして最後につや出しをします。
まず、管体から組み立てます。
トーンホールを管体上に正確に位置づけし、はんだ付けします。
メカニックな動きを支えるポストリブとキーポストを取り付けます。それから、トーンホールの穴を開け、平らにします。
それから、管体にメカニックなパーツを取り付けます。
各キーは、いくつものパーツをキーパイプに調整・位置づけ・蠟付けされて出来上がっています。1/100㎜単位の正確さが求められる緻密な作業です。
キーの最終研磨を行ってから、ステインレスシャフトとブロンズネジを調節します。その後、ピンで固定し、油を差します。最後にバネ、フェルト、タンポを取り付け、最終調整をします。
ここまでできたら、初めて音を出してみることができます。何週間もかけて作り上げたフルートを最初に試奏できるのは、製作者の特権とも言えるでしょう。